消化器領域で症例を積みたい先生へ

脳や心臓、肝臓などの臓器の機能を測定したり、骨折やがんの全身チェックを行います

健康への悪影響はありません

「アイソトープ」と呼ばれる微量の放射線を放出する特殊な薬剤を投与し、それが体内の組織に分布する様子を画像化することにより、脳や心臓、肝臓などの臓器の機能を調べたり、骨折の有無やがんのチェックを行ったりするのが核医学検査です。

CTやMRIと同様に、検査室にはドーナツ状の撮影装置とベッドが設置されています。核医学検査では、目的に合わせて様々なタイプのラジオアイソトープが使用されますが、いずれも製造直後から崩壊が始まり、最長でも60日、短いものでは2時間足らずで半減期を迎えます。撮影後も体内に残ったラジオアイソトープからは放射線が出ますが、その量はごく僅かですし、半減期に従って減衰していくので、健康への悪影響を心配する必要はありません。

検査室では、患者さんはラジオアイソトープを注射あるいは内服し、薬剤が全身あるいは目的の臓器に分布するのを待ちます。その後、ベッドで横になり、その間にガンマ線を測定するカメラによって撮影が行われます。薬剤を投与するタイミングや撮影までの待ち時間は、検査の種類によって決められています。

例えば、甲状腺の検査では、1週間前からヨウ素を含む海藻類の摂取を制限し、薬剤投与から撮影まで1日あける必要があります。心筋シンチグラフィーでは、運動や薬剤で心臓に負荷をかけた状態で検査薬を投与します。

人間ドックなどで普及しているPET(ポジトロン断層撮影法)検査では、放射線で目印をつけたフルオロデオキシグルコース(FDG)というブドウ糖の一種が投与されます。これはがん細胞が栄養源としてブドウ糖を退路湯に取り込む性質を利用して、がんを診断しようというものです。血糖値が上昇して、画像が不鮮明になるのを防ぐため、検査前に食事や糖分を多く含む飲み物を取らないようにする必要があります。

 
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